独り言
(2000年1月、2月)
2月29日
四年に一度しか出現しない2月29日。
小学校の頃、「俺の本当の誕生日は2月29日で、四年に一度しかないんだぜ!」と、ことあるごとに自慢していた彼は、今ごろどうしているだろうか。
当時はなんだかすごいことのように思えて羨ましかったけれど、今にして思うと、それしか自慢できることがないイタイやつだったなあ。
しかし裏を返せば、それでも、何もないよりはマシってことでしょうか。そう考えると、やはり2月29日生まれってのは、ある意味ラッキーかもしれません。
2月28日
こう金利が低いと、銀行に預けてたってなあ……。そんなこともあり、持っていた株を売って、もう少し配当のいい株に買い換えることに。
しかし、かつて株でデンジャラスなダメージを被ったことが精神的障害になっているのか、株屋のカウンターに座っている間中、注射を待つ子供のように、胃に痛みを感じ続けていました。トホホ。楽してドカッと儲けようなんて考えないから、どうか配当で稼がせてくれー!
2月25日
『会社四季報』って代物が、こんなに面白い読み物だとは今まで知りませんでした。
2月22日
母から電話があり、弟の大学受験の合格発表をインターネットで調べて欲しいとのこと。なるほど、インターネットで合格速報ねえ……。時代を感じます。
合格してました。
家族一同、ホッと一息。
これから始まる、4年間の大学生活、か。彼は、自分のやりたいことを見つけられるだろうか。ぜひ見つけて欲しい。自分が何をしたいのかわかっている者は幸いだ。私は文筆業で飯を食っているが、今の自分を幸せだと思っている。幸せだという実感はさほど強烈ではないのだが、いわゆる、ある時には気づきにくい種類の幸せなのだと思う。
では、なぜそれを幸せだと断言できるのか。筆の力で食うことができなくなる日が、将来、私の身に訪れるのだろうか?……という自分への問いを行なうと、怖いので想像したくない自分がいるのに気づく。その恐怖、それは私が幸せであるが故にこそ発生するものなのだろう。
つーかボクチン、会社行かなくっていいしー。寝坊しても文句いわれないしー。満員電車の苦痛を味わう必要なんてないしー。自分の好きな時に仕事すりゃいいしー。遊園地だろうが動物園だろうが映画館だろうが平日の空いてる時にいけるしー。
これが幸せでなかったら、なんだってんだ?
2月20日
魔魚戦記の、次の短編の第一稿を仕上げました。
2月16日
くわあー!
ヤフーオークションで、すごく欲しい物があって(十五年くらい前に森永から出ていたガンダムチョコスナックのミニモデルたくさん)、入札したんですけど。ですけど! Deathけど!
私が入札した額の、3倍以上の値段つけてる奴がいるよー!
シャアザクかてめえ! 通常の3倍か! つうか、なんでそんなに値を吊り上げるんだ! ジャンボで3億当たったのか? ちきしょおおおお! スゲー欲しかったのに!
しかも、その何者かは、『taiyo sun』だってさ。これは偶然の一致か? それとも、これがいわゆるひとつの、光と闇の戦いってやつか?
悔しくて眠れません。
2月14日
大学へ私用で寄った帰り、富士見書房で打ちあわせ。
その帰りに、いいとんで麻雀。
いいんだろうか……。こんなんで……。
2月12日
近所に潰れた古本屋があったんですが、このほど、そこに新しい古本屋がオープンしまして。早速いってみました。
はじめて入る古本屋は、なんだかドキドキします。こう、思いも寄らぬ出会いといいますか、びっくりするようなブツに巡りあえるんじゃないかという漠然とした期待。それいけー!
……。なんか、あの……。店の名前と棚の位置が変わっただけなんスけど……。同じブツを同じ値段のまま置いてあるんですけど……。
2月9日
なんか、ちょっと勘違いしてました。
『魔魚戦記』の短編が掲載されるのは、月刊ドラゴンマガジンの3月号ではなくて、ドラゴンマガジン増刊号の『ファンラジア・バトルロイヤル』なんだそうな。2月15日発売だそうなんで、あと一週間くらいか。
2月7日
渋東シネタワーにて、007の最新作を観てきました。
思うに、ジェームズ・ボンドって男は、キザなだけの俳優には絶対につとまらないと思う。ショーン・コネリー版ジェームズ・ボンド(おっと、彼の場合は、ジィムズ・ボンドか?)がそうだったけれど、007には、『キザ』に加えて、『お茶目さん』これが絶対に外せない要素だと思う。
そして、今回の007は、この私的に重要なポイントがきっちり踏まえられていたように思う。冒頭のボートの追跡シーンの、水中でネクタイを直すジェームズが、最高に良かった。やっぱ007はこうでなくちゃ!
ちなみに今回の007、服が透けて見えちゃうすんばらしい眼鏡が登場するんだけれど、私の隣の席に座っていた外国人(白人系)の男が、ンフフフフ、ンフフフ、ンフフフフ、としきりに笑っていました。
エッチは世界の共通言語です。
2月5日
いいとん(ここ)のR値ランキングで、暫定ながらも、とうとうナンバーワンの座に……!
しかし、試合回数をだいぶこなしたためにR値の変動幅が異様に小さくなってきているので、もはやR値2000は、無理かも。
そして、現在のナンバーワンの座も、ほんの少し負ければたちまち追い落とされてしまうシビアな位置。厳しい。
あ〜。R値欲しいよ〜。
それにしても、つくづく、麻雀って、面白いなあ。特に、フリー打ちの麻雀は。
いかにも強そうなガタイのやつが、リーチにひどく臆病だったり。
柔和な顔立ちの人が、思いのほか強気の追いかけリーチをうってきたり。
人品卑しからぬ風体の人が、実はマナー最悪のクソだったり。
豪快な、あるいは雑な性格に思える男が、じっくりとまた繊細に回し打ちをしたり。
人は見た目によらぬもの。その言葉が真実であると肌で実感できます。
2月1日
なんかもう、昨日のことで腹が立っておさまらず、何も手につかない状態。
こういう時こそ、麻雀(あれ? もしかして、自分にいい訳しながら打ってる?)。
2,1,2,3,1,1,4,1 の成績。
じわじわとR値上昇。でも、300試合近く打っているので、さすがに変動が少なくなってきた……。劇的なR変動は、もはや期待できない。地道に、辛抱強く、山登り感覚で打とう……。
1月31日
ポプラ社から、『さまよう島エウナレダ』の印税が、支払い予定日を一週間以上も過ぎているのに、いっこうに振り込まれない。ムカッ! 銭の支払いには、シビアな態度をとらせてもらう! そんなわけで、担当編集者に電話。すぐに振りこむとのこと。
親の脛をかじっている物書きや、親と同居して家賃を支払う必要のない物書きや、結婚して旦那や女房の収入に寄生している物書きはどうだか知らないけれどさ。
私にとって印税は、文字通りの生命線。こっちが製品を納入したのに、期日に銭を寄越さないなんて、許さん。
1月29日
遊園地へ遊びに行く子供のごとく、不必要なほど早起き。五時に目が覚めました。
だが、五時ならもう電車は動いている。いいとんへ、GO!
トップを7回。
きたきたきたきたあ! なんかもう、鬼のような配牌ばかりで、三巡目や四巡目のリーチが、当たり前のようにかかる始末。なにごとでしょうか。やはり、仕事を一段落させてから遊びに来た、心がけが良かったんでしょうか。
ふふふふ……。とうとう、R値は1900の大台へ。上位陣を脅かす位置にランクインしたぞ! イヤッホウ!
1月28日
『魔魚戦記』第二巻の第一稿(正確には、それを推敲したもの)を、脱稿。
よし……! 自分へのご褒美で、明日は麻雀だ。目指せ、R値1900台!
1月25日
渋谷に新しくできた映画館、シネフロントにて、遅まきながら『ターザン』を観てきました。
このシネフロント、座席が完全指定制でして。入場券を渡すと、係の人がパソコンみたいなのをパチパチやって、指定の席を表示した券を発券してくれます。
へえ〜。こういうシステムの映画館は初めて。私は、第一回目の上映の、それも一番乗りだったので、さぞやいい席なんだろうなと思いつつ、指定の座席へ。
はじっこ。
どういうことだよこりゃぁよォ! なんで真っ先に来た私が、はじっこの席へ追いやられなきゃならないんだ! 後から来た連中が、なぜ首の痛くならない真ん中の方の席なんだー!
許せん。つうか、許さん。二度と行きません、死ねフロント。
1月22日
ファンタジア長編小説大賞の授賞式。
出版関係の人間が集まる式なんて、どうせみんないい加減な格好だろう……と思ってジーンズでいったら、私以外は全員背広。マジ?
まあいいやー。いまさら慌ててもしょうがねえしなー。
そんなわけで、なるべく気負わず自然に(主観的には)振るまいました。でもなあ。みなさんネクタイもちゃんとしている中に、一人だけジーンズでうろうろしてるってのは、客観的にはものすごく不自然だよなあ……。
そして、バイキング形式のお料理を食べるにつけても、(うお! こんなに色々出るんなら、タッパ持って来てお持ち帰りすりゃ良かった!)などとつい思ってしまう独り暮らしのわびしさよ。なんせ料理するのが面倒なんで、このところ毎日毎日毎日毎日鍋焼きうどんばかり食べているんです。しかも今年は白菜がべらぼうに安いんで、具は必ず白菜で……。察して下さい。どうか察して下さい……。
ともあれ、賞金を貰えて良かった。以上。
1月18日
犬も歩けば棒にあたるとはよくいったもので、生きていると、たまにはびっくりすることがあるものです。
本日は、ひょんなことから、私が住んでいるマンションで、過去に殺人事件があったことが判明。
なんでも、隣室の音がうるさかったのが発端となり、殺人にまで発展したんだそうです。怖ッ!
1月14日
まだ風邪が治らない。でも、麻雀打ちたい。てなわけで、いいとんへ(私も、よくよく好きなんだなあ……)。
4タテ。
惜しくも5タテは逃したものの、ノドアメをなめ、痛みをこらえながら打った甲斐があったぜえ! R値、再び1800台。これで、一気に上位へ肉薄したぞ!
でも、帰宅すると喉の痛みが増し、ついには激痛に。
人間、健康が一番。まさに、なくしてからわかる幸福なあの頃のありがたみ。
1月13日
魔魚戦記の見本が届く。本屋さんに出まわるのは、一月の末頃かな。
でも、ざっと目を通してみたら、文法的に間違っている一文が。あれ! ゲラの段階で、直さなかったっけ!? うろおぼえなので思い出せないけれど、とにかくトホホ。重版がかかったら、その段階で変更するしか。しかも風邪は悪化。喉いてえ。
1月11日
ダメだこりゃ。完全に風邪ひいてるみたい。
去年も、一月にこんな目に遭ったような……?
1月7日
富士見書房から、短編のゲラが届く。今月発売の『魔魚戦記』にからめたエピソードの短編。ドラゴンマガジンの3月号に掲載予定。
内容を読み返してみると、あら不思議。
ノストラダムスの予言した世界の終わりやY2Kに、何かを期待していた。そんな私の願望が反映されています。
1月4日
あのさあ。
本当の本当に、これで終わりなわけ? Y2Kは?
色々、期待してたんですよ。核ミサイルが発射されちゃったりとか。原発がドカンといったりとか。世界中の電話がいっせいに鳴り響いたりとか。隕石が降ってきたりとか。都会の真中に火山が出現したりとか。なんだかコンピューターと無関係かもしれないけどさー。とにかく、何かを期待していたんですよ、私は。
へっ、何もなくて良かった、だって?
ニチチチチ! 嘘をつくな! つーくーなー!
衝撃の映像を集めると、視聴率がとれるのはなぜか? 大事件を報じると、視聴率がとれるのはなぜか?
それはみんな、そういうのが好きだからだろ? 違うか?
なあ〜。正直になれよ〜。本当はお前だって、何かを期待してただろ? 何かが起こって欲しかっただろ? なあ〜。なあ!
1月2日
実家に帰って、まったりと過ごす正月。
のんびりと折りこみのチラシを眺めていると、PGガンダムの安売りを発見! これは買わねば!
買ったよ。買いましたよ。この、現時点における究極のガンプラを。
こうして私は、また一歩、ダメな人に近づいたのです。
ファイトクラブのタイラーがいたなら、「おめでとう!」と言ってくれることでしょう。でも、私はタイラーと同居してはいない。そこで、おめでとう、自分!
……なんかまた自己嫌悪。
1月1日
つまんね〜。
たいしたこと起きねえでやんの、Y2K。
あーあ。せっかくチキンラーメンをたくさん買いこんでおいたのに。チキンラーメンは、お湯がなくても食べられるからって、それはもうたくさん、箱で買っておいたのに。
「おなかが減って、おなかが減って、もう死にそうなんです……。どうか、どうかそのチキンラーメンを下さい」
「あっそ」
……とかいって、ボリボリとチキンラーメンを餓死寸前の人の前でむさぼり食ったら、今まで食ったどんなメシよりも美味かっただろうなあ。
そんな私ですが、童話作家。